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2018 VOL2生まれ変わったラーネッド記念図書館 新しい「知」のプラットフォーム

次代に向けた新たな「学びの拠点」を提供するために
京田辺校地のラーネッド記念図書館がリニューアルオープンしました。
1Fには刺激に満ちた交流と互いの啓発を促し、多彩でクリエイティブな発信を支える
最先端のスペース・設備を備えたラーニング・コモンズを新設し、「学びのアウトプット空間」を構築。
1F/2F/3Fは主体的に情報や知識を得ることができる
グローバル学修支援機能も完備した新しい図書館機能として「学びのインプット空間」を展開しています。
この「新しい『知』のプラットフォーム」を積極的に活用してください。

D.Wラーネッド アクティブラーニングとグローバル学修支援機能を融合 学生の主体的な学びを多角的に支援

京田辺校地にあるラーネッド記念図書館の館名は 1920年に同志社大学の初代学長に就任した D・W・ラーネッドに由来します。
米国コネティカット州に生まれた彼はイェール大学大学院を修了後、1875年にアメリカン・ボード宣教師として来日。
新島襄の志を支え、草創期の同志社の教育に尽くし、52年間にわたって同志社に在職しました。
D・W・ラーネッドは今日に受け継がれる「同志社の精神」を育み、広めた一人であり、日本の学術の発展にも大きく貢献した偉人として知られています。
その精神を象徴するのが、ラーネッド記念図書館の正面に高く掲げられた「LEARN TO LIVE AND LIVE TO LEARN(生きるために学び、学ぶために生きる)」というD・W・ラーネッドの愛誦の言葉です。

ラーネッド記念図書館が開館したのは京田辺校地開校と同時の1986年。
主に1、2年次生を対象にした全面開架式の学習図書館としてスタートしました。
1988年に両校地図書館でオンライン目録検索サービスを開始。
1994年の工学部・工学研究科(現 理工学部・理工学研究科)の京田辺校地移転に伴い、今出川図書館から約3,000冊をラーネッド記念図書館に移行し、さらに新規に約3,000冊を購入。
1997年にマルチメディア・ライブラリーを開設し、1998年にPCコーナー、1999年にWeb版DOORSを稼働し、ホームページに貴重書デジタルアーカイブも公開、 2010年にはCo☆labo(学習施設)を開設しました。
そして、2018年にアクティブラーニングとグローバル学修支援機能を備えた新しい「知の拠点」としてリニューアルオープンしました。

生まれ変わったラーネッド記念図書館が掲げるコンセプトはラーニング・コモンズとライブラリーが機能的に融合した「新しい『知』のプラットフォームの提案」です。
1Fをラーニング・コモンズを中心としたアクティブラーニングを展開する「学びのアウトプット─動的空間」、1F・2F・3Fをセルフラーニングを中心とした「学びのインプット─静的空間」と位置付けています。
さまざまなヒト・モノ・コトや最新の情報に出会い、クリエイティブな刺激に満ちた交流から得た閃きやアイデアについて、知識をインプットしながら熟考することによって深化させ、ロジカルな裏付けを持つ発想として具現化し、これらを広く発信することができます。

1Fのラーニング・コモンズには、多彩な機能を備えた活用自在のプレゼンテーションコート、個々の多様な相談に即応するアカデミックサポートエリアなど協同学習や交流を支援する機能があり、2Fは図書館への入口であり情報検索や資料収集の相談ができるライブラリーホールや、言語・異文化理解のためのグローバル・ラボなどで構成。
3Fは知識を深めるための個々に集中できる学習スペースと、想像を解き放つグループ学習スペースになっています。
学生の主体的な学びを多角的に支援し、新たな創造を促進するラーネッド記念図書館で新たな学びの世界を実感してください。

小山
ラーネッド記念図書館の開設は1986年。当初は1、2年次生のための学習図書館でした。
その後、工学部・工学研究科(現 理工学部・理工学研究科)の京田辺校地全面移転を契機に担うべき役割が変化し、さらに本年、図書館にラーニング・コモンズを融合した学びの新拠点として生まれ変わったわけです。
大島
ラーニング・コモンズとは、学生の自発的な学びを多角的に支援する場所や施設のことです。
近年、PBL(課題解決型学習)などが注視され、学習の形態に変化が生じ、日本でも次代に向けて積極的に取り入れられるようになってきました。
小山
2階の図書館入口のライブラリーホールでは、新刊書籍などをブックウォ ールで速やかに確認でき、PCコーナーでは本学所蔵の資料や文献、さらに国内の論文などの閲覧も可能です。
3階には静謐な環境の中で集中的に学べるサイレンススペースなどもあり、ニーズに即応した多様な学びのスタイルを自由にチョイスできるようになっています。
また、席数を調整することによって個別スペースの拡大も図りました。
大島
1階では発見学習、問題解決学習、グループ討論、ディベートなど、学生のアクティブラーニングを積極的に支援します。
アカデミックサポートエリアでは、アカデミック・インストラクターや大学院生で構成されたラーニング・アシスタントがレポートやプレゼンテーションなど様々な学習相談に応じます。
入学間もない1年次生にも、積極的に活用してほしいですね。ワークショップルームやグループワークエリアはグループ学習に最適です。 多彩なイベントが自在に展開できるプレゼンテーションコートの壁面には3面のスクリーンを設置し、外部からの可視化も図りました。
発表している姿を第三者に見られることが良い刺激となり、能力を高めてくれるからです。
ボックス席と昇降式のテーブル席を設置したインフォダイナーも活発な討議や発案を促してくれます。
小山
1月のオープン以来、すでに本館には日々多くの学生が訪れ、それぞれの目的に即して全館を活発に活用しています。
当初の予想をはるかに上回る学生数であり、このような学びの新拠点が必要であったことを改めて実感しています。
本格的な探究は各学部で行われているわけですが、それ以外の交流や議論、発信などの場として大きな可能性を秘めていると考えています。
各学部横断型の研究発表などにも積極的にご利用いただければと願っています。
大島
ラーニング・コモンズは当センターが運営を担当していますが、2018年度は学習支援検討部会を立ち上げ、京田辺校地の特性を生かした学習支援を委員の先生方に具体的に検討していただきます。
これまでに良心館ラーニング・コモンズで成果をあげてきたアカデミックスキルセミナーや学習支援イベントも貴重なコンテンツです。
また、両校地をライブ映像で結んだ共同催事も構想しています。
双方向で参加者がディスカッシ ョンやプレゼンテーションなどを行うイベントです。
これは両校地を一体化する画期的な試みになると期待しています。
小山
図書館とラーニング・コモンズを一拠点に設置することによって、学びのインプットとアウトプットが統合され、巧みに循環することは良いことであり、成果に期待を寄せています。
必要な書籍なども貸出手続きを行うだけで1階に持ち込み、直ちに活用することができます。
大島
それはラーネッド記念図書館の優れたポイントです。
階上に行けば書籍や資料があるというのは非常に便利です。
小山
セルフラーニングとアクティブラ ーニングが融合し、最先端の機能も完備した「知」のプラットフォームが完成したわけです。
これを在学生がそれぞれの学びのスタイルに即して最大限に活用してほしいと心から願っています。

※小山 隆図書館長の役職は対談時点のものです。2018年4月1日からは竹廣良司経済学部教授が図書館長に就任しています。