RLP ReportResidential Learning Program (RLP) 潜入レポート Vol.1

〜 テーマ:地域社会を生きる 第1回「上京区を知ろう」 〜

継志寮に住む学生全員が参加する
Residential Learning Program(RLP)。
寮生の創造性や協調性を高めるために、
どのような取り組みが行われているのでしょうか。
今回は、記念すべき第一回RLPに潜入。
参加した寮生の声を通して、当日の様子をお伝えします。

取材した学生はこちらの2人

高校生の頃から憧れだった京都の町に、「観光客」ではなく、「住民」として関わることができるのが楽しみです。

グローバル地域文化学部
グローバル地域文化学科 2年

大澤 萌さん

大澤萌
谷口賢次郎

同志社大学と継志寮のある上京区に詳しくなることで、ここでしかできないまちづくりの工夫を発見したいです。

経済学部
経済学科 1年

谷口 賢次郎さん

16:30〜

講演スタート

今回の講演は、継志寮ワークショップルームにて行われました。講師は上京区まちづくり推進課長の山下正洋氏。地域コミュニティの活性化を促進する業務を担当し、上京区の文化や歴史に精通したスペシャリストです。

前 半

「歴史」について

前半パートでは、京都に都が移された平安時代から、東京遷都後の現代に至るまでの、上京区を舞台にした戦や商業、災害と共に変化する町の様子が時代ごとに語られました。1000年以上もの間、日本政治の中心地だった上京区。その深い歴史の痕跡が現在の地名や現存する建築に数多く刻まれて、今も残っていることを学びました。

大澤萌さんお話の中には、歴史の授業で学んだ人物名や地名が何度も登場し、現在暮らす町が歴史を大きく動かした舞台そのものだったのだと実感して感動しました。町あるきをして、歴史的な出来事が起きた実際の場所を訪れてみたくなりました。

後 半

「文化」について

後半パートのテーマは、上京区の文化の特徴。上京区のユニークポイントの多くが伝統的な公家文化に根付いたものだと山下氏は語ります。「上京区にはチェーン店のカフェがない」「パンの消費量で全国1位になったことがある」など、伝統的な文化とは関係がないように思われる情報も、掘り下げていくと深い歴史との繫がりが見えてきました。

谷口賢次郎さん新しく開業する飲食店や販売店の店舗として空き家の利用を推奨するなど、古風な町並みを上手く活かす上京区の取り組みはとても興味深く感じました。古き良き文化を絶やさないためにも、地域のイベントなどには積極的に参加したいです。

17:50〜

質疑応答

「どうして上京区では大通りに面していない細い路地にも観光客が集まるのでしょうか?」との質問に、「細い路地に店を構える古くからの名店が人を呼び、大通りでなくても人が集まる店が多い」と山下氏は分析しました。
講演で得た知識は上京区で生活を送る中で、新たな発見の種となりそうです。

18:00

講演終了

第一回RLPを終えて

大澤萌さん今回の講演では、上京区の歴史や文化を広く学びました。自分たちが暮らし学ぶ場所だからこそ、この町をもっと深く知りたいと思います。今後のRLPでは実際に町に赴いたり、地域の方々と関わったりしながら、座学だけでは得られない知識を身につけたいです。私は高校生の頃からさまざまな社会問題に興味をもっていました。継志寮への入寮を決めたのも社会貢献のヒントになるような広い視野や考え方を培いたいと考えたから。将来、社会問題の解決のために自発的な行動ができるよう、RLPで知識や経験を積み重ねていきたいです。

谷口賢次郎さん入寮前から京都は他とちがう独特な町だと感じていましたが、住み始めてからはますます京都に対して『特別感』を抱くようになりました。観光地として有名なことや、外国人居住者が多いことがその理由だと考えていましたが、今回学んだ歴史や文化の積み重ねこそが、京都が醸し出す『特別感』の理由の根本なのだと感じます。私が育った町はニュータウンだったので、上京区のように伝統的な文化が残り、住民同士の繫がりが強い町には憧れがあります。今後のRLPでは実際に地域の方々と関わりながら、京都の町に対する思いを聞いてみたいです。

今回のプログラムでは、上京区の歴史や文化を学ぶことによって、寮生が上京区の住民としての自覚を強め、地域住民と共生することの意味を考えるきっかけとなったようでした。継志寮のRLPは定期的に開催され、防災、環境マネジメント、多文化共生などのテーマについて見識を深めるさまざまな取り組みが予定されています。