Conceptコンセプト

Chapter建築デザイン

歴史を紡ぐ、新たなランドマーク

教育・研究を支える「知のシンボル」

新図書館は、時を経ても色あせない建物となることを目指し、今出川キャンパスの歴史的な景観や、周辺の美観地区と調和するデザインとしました。キャンパスの新たなランドマークとして、そして「知のシンボル」として、同志社大学の教育・研究を支え続けます。また、災害時にもサービスを維持できる安全性や、将来の用途変更・書架の集密化にも柔軟に対応できる高い基本性能を備え、長く愛される図書館を目指します。

同志社大学図書館史- 知の足跡を辿る -

学習者をいざなう図書館

広く開かれたエントランスから内部が垣間見えるよう設計し、学習者を自然に館内へ誘います。内部からは、成熟した歴史ある緑豊かな風景を望むことができ、今出川キャンパスと調和した心地よい空間がひろがります。また、パーパスロードに面して設置されたブックカフェは、日常と学びを心地よくつなげます。

Chapter空間デザイン

質感を伴う、開かれた知の拠点

学習意欲をいざなう書架

新図書館は、資料に囲まれた空間に身を置き、高い志をもつ他の学習者の気配を感じられる空間を目指します。集密書架により高い収蔵能力を確保しながらも、閉架書庫や自動書庫は設けず、館内すべての資料を直接手に取ることができます。興味の赴くままに書架を歩き、新たな資料との出会いを演出します。

知の探求を支える設備

新図書館は、多くの資料を広げられるよう閲覧机の広さに配慮し、学びに没頭できる環境を整えています。図書館に求められる基本機能を重視し、思索に集中できる静寂な空間と、落ち着いて過ごせるパーソナルスペースを確保しています。学習や研究に心ゆくまで向き合える場として、知の探求を支える環境を提供します。

Chapterサステナブルデザイン

知を繋ぐ、時間軸を持つ家具

Re-generative
Furniture
再生を通じて過去・現在・未来を繋ぐ

Reuse再利用

建て替え前の図書館のスチール材を可能な限り再利用

旧図書館に設置していた据え置き書架、集密書架、事務家具等を可能な限り再利用。再利用の書架は、書架照明等の機能を付加することで、新図書館の空間にマッチした意匠とします。

Ready-made既製品

既製品を活用し、新たな製造工程や資源消費を抑制

新図書館に設置される書架、閲覧机、椅子等の家具備品は、分解、再組立てが比較的容易である既製品をできる限り採用。新規購入品も、再利用品と同等のカスタマイズを行い、違和感のないよう工夫します。

Re-assemble分解組み立て式

修理やリメイクがしやすい長く使えるデザイン

各エリアの用途は中長期的に変化する可能性があるため、レイアウト変更に対応できるよう、閲覧机の天板やフレーム、照明器具を容易に分解できる仕様に。また、経年劣化や破損の際は、必要なパーツのみの再製作・交換が可能です。

History

同志社大学図書館史- 知の足跡を辿る -

有終館時代

1876年、今出川相国寺門前の寮舎に書籍縦覧室が設けられ、同志社における図書館の歴史が始まりました。1887年には地階と屋根裏を備えた煉瓦造2階建の初代「書籍館」(のちの有終館)が竣工しました。洋書を中心とする蔵書を学生が自由に閲覧でき、近代的な学びの拠点となりました。

啓明館時代

1920年、現在の啓明館にあたる2代目図書館が完成しました。ゴシック様式を取り入れた鉄骨煉瓦造5階建の荘厳な建物は、大学令による同志社大学開校の象徴として建てられました。校友や学生の寄付により実現し、蔵書は4万7千冊を超え、教育研究の中心として活用されました。

今出川校地図書館・
ラーネッド記念図書館時代

1973年、情報化の進展に対応する新たな図書館として、鉄筋コンクリート造3階地下2階の今出川校地図書館が竣工しました。デザインと機能性を兼ね備え、建築業協会賞を受賞しました。1986年には田辺校地の開校と同時にラーネッド記念図書館が開館しました。正面入口上部にはラーネッドの愛誦句「Learn to Live and Live to Learn」が刻まれています。