2024.10.25

社会人と共修・ベルギー海外オンサイト実習を実施しました。

同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト(SPRING)では、支援対象学生に、研究者としてのグローバルな視点の獲得と自身の研究の国際的な発展を目指すために、海外活動に取り組むことを求めています。
SPRING支援対象学生は、海外活動の一事例として、本学の大学院教育プログラムである「グローバル・リソース・マネジメント(GRM)科目である「On-site Group Work」を履修することができます。
2024年度の同科目ではベルギーに渡航し、海外オンサイト実習を実施しました。
「On-site Group Work」の受講者は、本学の大学院生10名(うちSPRING支援対象学生2名含む)、連携協定を締結しているダイキン工業株式会社の若手社員4名です。異分野の学生や社会人と共修する中で、様々な視点の意見を集約し、グループワークを進めていく経験は、博士人材に必要な協創性を培う場にもなっています。

実習のテーマは「Collaboration and innovation for clean energy transition: connecting technology, society, and actions for a change toward carbon neutrality」。カーボンニュートラルに向けたクリーンエネルギーへの移行について、技術(企業活動)・政府の政策・個人の行動を繋げて考える実習を目指しました。

ヨーロッパは、ロシア-ウクライナの戦乱の影響を受け、エネルギー転換が喫緊の課題となる中、市民は物価高騰に伴う生活水準の変化に苦労しています。生活苦下での環境・エネルギーに関係する厳しい規制への反発がある中、欧州議会選挙が実施され、議会の勢力分布にも変化が見られました。実習で様々な主体の意見を聞く中で、選挙結果が、政府の政策、企業活動にも変化を及ぼす状況を体感することができました。
日本で体感する以上に、社会の変化と企業活動、政策、個人行動とのつながりを、明確に感じるフィールドでの実習は、自身または自身の研究と社会との繋がりを意識する視座を得る経験となりました。

博士課程の学生は、制約を受けずに自由に発想し、研究テーマの真理を探究する姿勢も必要ですが、海外オンサイト実習で得られた視座を基に、自身の研究と社会との関りについても考察し、研究の方向性を確認しながら研究を進められる能力を養っていただきたいと考えています。

(実施日)
8月25日~9月1日
※上記期間とは別に、同志社大学、ダイキン工業にて事前学習を実施いたしました。
※帰国後は、最終報告会を実施いたしました。

(ベルギーでの訪問先)
ブリュッセル
 欧州委員会
 欧州議会
 JETROブリュッセル事務所
ゲント
 ダイキン研究開発拠点
 ゲント大学居住空間測定ラボ
 ゲント市役所(ゲント大学にて地方自治体のエネルギーマネジメント政策の講義)
オーステンド
 ダイキン工業生産拠点
 個人邸宅

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